自分の価値を時給換算

 

 

 

急遽休日が出勤へと変わった日。

時間でお金を買っているという感覚が

アルバイト時代の時給換算を彷彿とさせる。

月収でしか給料を換算出来なくなってからは

金銭感覚が狂ってしまった。

学生の頃は料理一品を注文するに際しても

何時間働いた分の金額だということが単純明快だった。

そして時給の価値は時間の価値であり

時間の価値は自分の価値でもあったため

「自分の価値=時給」という方程式のもと

1時間980円で買われていた自分が懐かしい。

 

そんなことはさておき今日は極めて憂鬱だ。

休日が出勤日に変わるなんてクソ喰らえ。

 

そんなことを思いながら

彼女の弁当を作り始める午前5時。

 

見よう見まねで作った弁当のひよこが

潰れて顔面が割れてしまった。大失策。

合計2時間を費やした初の弁当作りに

冷凍食品の偉大さを知る。

 

 

出勤前のモラトリアムに張り付いて

再び眠りについた午前10時過ぎ。

怠惰な生活が唯一の十八番。

 

朝食か昼食かも分からない食事を摂って

出掛けさせられる動機に嫌悪を抱く。

転げる空き缶を拾う善意などは持ち合わせず

転んだ少女を横目に颯爽と車を走らせる。

 

カーラジオのプレイリストには

出勤前のいつもの憂鬱が張り付いている。

おかげで大好きな応援歌にも

いつだって出勤前の憂鬱が縋り付く。

相打ちどころか嫌いになりそうだ。

 

自動販売機に100円を盗られた昼下がり。

どれだけの自分が失われたのだろう。

全くもってついてないよな、今日はさ。