モラトリアム人生

 

 

雨天でも止むなく決行する生活に

拭えない湿っぽさばかりが纏わり付く。

常時稼働するエアコンが僕の自尊心を投影し

早くも出番を失った扇風機が

そっぽを向いてうらぶれている。

 

色々あった、の一行で済まされるライフイベント。

 

なるようにしかならない。

それは諦めか、居直りか。

いずれにしても、なるようにしかならないよな。

 

決定をするための決定を繰り返して

大人になりたくないと願い続けたモラトリアム人生。

 

 

渡り廊下に転げる蝉の死体。

散々嫌がっていた夏がもうすでに近づいている。

春を脱ぎ捨てた蝉は

夏を泳ぐほかないのだろうか。

 

 

いつの間にか大人になってしまった。

大人にはなりたくなかったのに。

 

 

夏は暑いから嫌いだ。

早く終わって欲しい、だなんて矛盾ばかり。

そういうものか。

 

 

散らかったままの台所とクローゼット。

そろそろ片付けくらいしないとな。