地続きと積雪、そして雪解け

 

 

 

暖房で乾いた一室に仄明るい陽光が差し込む朝。

中途覚醒を繰り返した断続的な睡眠に

熟眠感は乏しく、後朝の睡魔は僕に縋り付く。

寝ぼけ眼で見つめたケータイは充電切れ。

時刻はまたもや不明。

 

「雪が積もってる」と聞き慣れた彼女のはしゃぐ声。

今年一番の積雪に雪景色が輝く午前7時過ぎ。

確かな地続きの今日。

ごみ捨て場に向かう途中で

未踏だった雪の道に足跡が残る。

 

朝食に一昨日の残り物を平らげた。

お米がちょっと硬かったけれど。

特に予定の無い午前を過ごす。

 

午前11時

ボディソープが無いことを思い出して外に出る。

近所の薬局には高齢者と小さい子供連れ。

お値打ちだった詰め替え用のボディソープを2つ、

昼食用のカップラーメンとコーラを手に持ち

レジへと並ぶ。

 

先日何処かで見た

「便利なサービスは利用しなきゃ損」

という言葉に感化されて

Mサイズのレジ袋の購入を希望したものの

Lサイズのレジ袋を渡されてしまった。

「まぁいいか」と思いつつも

塵も積もればなんとやら。

袋に詰めた身体的に不健康な同胞を見つめながら

惰性と飲み込んだ言葉たちを積み重ねている気がした。

 

 

一昨日は愛犬の6歳の誕生日だった。

人間でいう40歳くらいの年齢らしい。

正直素直に喜べなかった。祝えなかった。

いつかの喪失の哀しさに強く打ちのめされて

どうしても目を背けたくなった、罪悪。

積み重ねて欲しくないな。

 

昨日と自分と今日の自分の違いは何だろう。

1秒前の自分と何が変わっているのだろう。

時間ばかりを積み重ねているだけなのだろうか。

たとえそうであったとしても

今日の自分は昨日を乗り越えてきたのだろう。

昨日までの自分を積み重ねてきたのだろう。

実感は無くてもそうなのだから。

それだけを頼りにしても良いじゃないか。

積み重ねて欲しいな。

 

 

雪解け。

水溜まりに反射する冬の陽光が煌びやかで眩しかった。

 

本日も出勤。